携帯電話の料金を滞納してしまうと、いわゆる「ブラックリスト」に登録される可能性があります。ただし、毎月の通話・通信料金だけを滞納している場合と、本体の分割代金も含めて滞納している場合では、登録される情報機関や影響の範囲が大きく異なるんです。
それぞれのケースでどのような違いが生じるのかを詳しくご紹介します。
携帯電話料金の滞納で登録される3種類のブラックリスト
携帯電話の支払いが滞ると、複数の機関に情報が登録されることがあります。
実は「ブラックリスト」という名簿が実際に存在するわけではなく、料金未払いなどの情報が記録されることを一般的にそう呼んでいます。登録される場所によって影響の範囲や期間が変わってくるため、まずはどんな種類があるのか把握しておきましょう。
各携帯会社が独自に管理する自社ブラックリスト
最初に登録されるのが、滞納した携帯会社が独自に保管している自社ブラックリストです。強制解約や虚偽申告による不正契約などの情報がここに記録されます。
このリストは社内のみで管理されているため、他社には直接影響しませんが、同じ会社や関連グループでの契約時には審査が厳しくなります。
携帯会社間で共有される不払者情報
契約解除後も料金を支払っていない場合、一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)や一般社団法人テレコムサービス協会(TELESA)が管理する不払者情報に登録されます。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルをはじめ、多くの格安SIM事業者も加盟しているため、この情報は事業者間で広く共有されることになります。
信用情報機関に登録される金融ブラック
携帯電話の本体を分割払いで購入している場合や、料金をクレジットカード払いにしている場合は、CICやJICCといった信用情報機関にも延滞情報が登録される可能性があります。これがいわゆる「金融ブラック」と呼ばれる状態です。
通話・通信料金のみの滞納(本体代金の支払いがない場合)
毎月の通話料金や通信料金だけを滞納している場合、登録される情報は主に携帯会社間で共有される不払者情報のみです。本体の分割払いが含まれていなければ、信用情報機関への登録は基本的に発生しません。
影響範囲は携帯電話の契約に限定されますが、それでも多くのキャリアで新規契約ができなくなるため注意が必要です。
影響を受ける範囲と契約への制限
TCAやTELESAに登録されると、加盟している携帯会社全般で新規契約や乗り換えが困難になります。大手キャリアはもちろん、多くの格安SIMも加盟しているため、選択肢はかなり限られてしまうでしょう。
ただし、携帯電話以外のクレジットカード発行やローン審査には影響しません。
登録される情報と保有期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録される主な情報 | 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、料金不払いの状況 |
| 保有期間 | 契約解除後5年以内(期間経過後は自動抹消) |
| 登録解除の条件 | 未払い料金を完済すれば即時対象外となる |
料金を完済すれば、不払者情報からは即座に削除されます。ただし、完済の事実が他の事業者に即時に伝わらない場合もあるため、契約申し込み時には完済したことを申告するとスムーズです。
どのくらいで強制解約になるのか
携帯会社によって多少の違いはありますが、支払い期日から約2ヶ月程度滞納が続くと強制解約になるケースが多いです。利用停止は未払い発生の翌月には実施されることもあるため、早めの対応が重要になります。
本体代金の分割払いも含めて滞納している場合
携帯電話本体を分割払いで購入し、その代金も含めて滞納している場合は状況がより深刻になります。本体の分割払いは「割賦販売」という扱いになるため、携帯会社間の不払者情報だけでなく、信用情報機関にも延滞情報が登録されてしまいます。
これにより、携帯電話以外の金融取引にも広く影響が及ぶことになるんです。
信用情報機関への登録と影響範囲
信用情報機関に延滞情報が登録されると、以下のような影響が生じます。
- 新しい携帯電話本体の分割購入ができなくなる(一括購入なら可能な場合もある)
- クレジットカードの新規発行や更新ができなくなる
- 住宅ローンや自動車ローンなどの審査に通らなくなる
- 賃貸住宅の契約で保証会社を利用する場合に審査が通らないことがある
- 保証人になることも原則としてできなくなる
このように、携帯電話だけでなく生活全般に関わる金融取引に支障をきたす可能性があります。
登録期間と解除までの流れ
| 登録機関 | 解除までの期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 不払者情報(TCA・TELESA) | 完済すれば即時解除 | または契約解除後5年で自動抹消 |
| 信用情報機関(CIC・JICC) | 滞納解消後約5年 | 完済してもすぐには消えない |
不払者情報は完済すればすぐに消えますが、信用情報機関の記録は完済後も約5年間残り続けます。これが大きな違いです。長期間にわたって金融取引に制限がかかるため、できるだけ早く滞納を解消することが重要になります。
クレジットカード払いの場合も要注意
通話・通信料金のみの支払いでも、クレジットカード払いにしている場合は注意が必要です。クレジットカードの引き落としができなかった場合、カード会社への支払い遅延として信用情報機関に登録される可能性があります。
本体代金の分割払いがなくても、支払い方法によっては金融ブラックになってしまうこともあるんです。
ブラックリスト登録を避けるための対策と支払いが難しい場合の相談先
一度ブラックリストに登録されると、その影響は長期間続きます。日常生活に大きな支障をきたさないためにも、できるだけ早めの対応を心がけましょう。
支払いが難しいときは早めに相談を
- 契約している携帯会社に連絡し、分割払いの相談をする
- どうしても支払いが困難な場合は、債務整理を専門とする司法書士や弁護士に相談する
- 自己破産などの債務整理を検討する際は、携帯電話料金も対象に含めることができる
- 支払いを放置せず、必ず何らかのアクションを起こすことが重要
料金を滞納してしまっても、完済すればブラックリストから削除できます。利息が増える前に、できるだけ早く対応することをおすすめします。
ブラックリスト登録されているか確認する方法
自分が不払者情報に登録されているか不安な場合は、TCAの公式サイトにある各社対応窓口に問い合わせることで確認できます。信用情報機関(CICやJICC)への登録状況も、インターネットまたは郵送で情報開示請求をすれば確認可能です。
本体代金の有無で大きく変わる影響範囲
携帯電話料金の滞納でブラックリストに登録されるリスクは、本体代金の分割払いが含まれているかどうかで大きく異なります。通話・通信料金のみの滞納であれば、影響は携帯電話の契約に限定され、完済すれば即座に解除されます。
一方、本体代金の分割払いを含む滞納の場合は、信用情報機関にも登録されてしまい、クレジットカードやローンなど生活全般の金融取引に長期間影響を及ぼします。
どちらの場合も、滞納を放置せず早めに対応することが何より大切です。支払いが困難な場合は、一人で悩まずに専門家に相談してみてくださいね。