ライフイベント×お金|人生でかかる費用を読み解く

光熱費が払えないとどうなる?払えない時にやるべきこと

電気代やガス代、水道代といった光熱費は、生活に欠かせない重要な支払いです。しかし支払いが遅れても、いきなり供給が停止されることはありません。段階的に通知が届き、最終的に供給が止まります。

電気が止まるまでの流れ

電気料金の支払期限は検針日から30日後に設定されています。この期限を過ぎると滞納扱いとなり、遅延利息が発生します。
段階 タイミング 内容
支払期限 検針日の30日後 第1回目の支払期限
督促状送付 支払期限から約20日後 再請求書と納付書が届く
停止予告 督促状から数日後 供給停止の予告通知
供給停止 検針日から約50日後 電気の供給が停止
遅延利息は1日あたり電気料金の0.03%が発生しますが、支払期限から10日以内に支払えば免除される場合もあります。

ガスが止まるまでの流れ

ガス料金も電気と同様の流れで供給停止となります。検針日の翌日から30日後が最初の支払期限で、その後約20日後に供給停止予告が届きます。 停止予定日の直前に支払っても、入金確認が間に合わずガスを止められてしまう可能性があります。余裕を持って前日の午前中までに支払いを済ませておくことが大切です。

水道が止まるまでの流れ

水道は電気やガスに比べて猶予期間が長く設定されています。自治体によって対応は異なりますが、一般的には支払期限から2~3か月程度で給水停止となります。
  • 催促状(納付期限の1か月前後)
  • 勧告状(催告状から2週間前後)
  • 給水停止予告書(勧告状から2週間前後)
これらの書類にはバーコード付きの振込用紙が添付されており、コンビニや金融機関で支払いが可能です。水道は生命に関わるライフラインのため、自治体によっては分割払いや猶予措置が設けられている場合もあります。

光熱費滞納で起きる様々なリスク

ライフラインの停止以外にも、光熱費を滞納し続けることで様々なリスクが発生します。日常生活への影響はもちろん、金銭的な負担も増える可能性があります。

遅延損害金が上乗せされる

支払期日を過ぎると遅延損害金が発生し、本来の料金に上乗せされて請求されます。
種類 利率
電気料金 年10%程度
ガス料金 年10%程度
水道料金 年3%程度(自治体により異なる)
例えば5,000円を30日間滞納すると約12円の遅延損害金がかかります。少額でも余計な出費となるため、期日内の支払いが望ましいでしょう。

生活に深刻な支障が出る

電気が止まれば冷蔵庫や冷暖房が使えなくなり、ガスが止まれば調理やお風呂に支障が出ます。水道が止まれば飲料水の確保やトイレの使用にも困ります。 特に夏場に電気が止まれば熱中症のリスクが高まり、冬場にガスや電気が止まれば凍死の危険もあります。健康や生命に関わる事態となる可能性があるため、早急な対応が必要です。

債権回収会社から督促される

長期間滞納を続けると、電力会社やガス会社から委託を受けた債権回収会社が督促を行う場合があります。債権回収会社は法務省の認可を受けた正規の業者ですが、督促が続くと最終的に法的措置が取られ、財産の差し押さえに至る可能性もあります。

再契約時に手数料が発生する場合も

供給停止後に再契約する際、事務手数料や開栓手数料がかかる自治体もあります。例えば水道の開栓には1回につき1,000円程度の手数料が必要となる地域もあります。

光熱費が払えない場合の対処法

どうしても光熱費が払えない場合でも、放置せずに対応することが重要です。利用できる支援制度や相談窓口があります。

まず供給会社に相談する

支払いが難しいと分かった時点で、電力会社・ガス会社・水道局に連絡しましょう。事情を説明することで、以下のような対応をしてもらえる可能性があります。
  • 支払期日の延長
  • 分割払いの相談
  • 一時的な猶予措置
何も連絡せずに滞納するよりも、事前に相談することで供給停止を避けられる場合があります。

生活福祉資金貸付制度を利用する

厚生労働省の生活福祉資金貸付制度では、一時的に生活費が不足している世帯に対して資金の貸付を行っています。
制度名 内容 金額
緊急小口資金 緊急かつ一時的な生活費 10万円以内
総合支援資金
(生活支援費)
生活再建までの生活費 単身15万円/月
2人以上20万円/月
総合支援資金
(一時生活再建費)
公共料金など一時的な費用 60万円以内
これらの制度は市区町村の社会福祉協議会で申請できます。保証人がいれば無利子で借りられ、返済期限も10年間と長期に設定されています。

生活保護制度を検討する

光熱費だけでなく家賃や食費など生活全般が困難な場合は、厚生労働省の生活保護制度を検討しましょう。 生活保護では食費や光熱費などの日常生活費として「生活扶助」が支給されます。また、家賃分として「住宅扶助」、医療費として「医療扶助」など、生活に必要な費用が総合的にサポートされます。

生活保護の申請方法

申請はお住まいの地域を所管する福祉事務所で行います。事前に相談することで、生活福祉資金など他の社会保障施策についても案内してもらえます。
  • 預貯金や資産を生活費に充てる
  • 働ける場合は能力に応じて働く
  • 年金や手当など他制度を優先活用
  • 親族からの援助を受ける
これらを全て活用しても最低生活費に満たない場合に、不足分が保護費として支給されます。

早めの相談と対応が重要

光熱費の滞納は放置すると確実にライフラインが止まり、日常生活に深刻な影響を及ぼします。支払いが難しい場合は、まず供給会社に連絡して相談しましょう。 また、国や自治体には様々な支援制度が用意されています。福祉事務所や社会福祉協議会に相談することで、自分に合った支援を受けられる可能性があります。問題を先送りにせず、早めに行動することが大切です。