電気代や水道代、クレジットカードの引き落としなどの毎月やってくる支払いは意外と多いもの。うっかり忘れてしまうと延滞金が発生したり、信用情報に傷がついてしまったりすることもあります。
こうしたトラブルを防ぐには、支払い項目を目に見える形で管理することが大切です。
支払いリストを作成してみよう
まずは、毎月・毎年発生する支払いを書き出してみましょう。光熱費や通信費といった固定費から、保険料や税金のような年単位の支払いまで、思いつく限り洗い出します。
日本FP協会では家計管理に役立つワークシートを提供していますが、こうしたツールを参考にしながら、自分に合った形でリストを作るのがおすすめです。
| 支払い項目 | 支払日 | 金額の目安 | 支払い方法 |
|---|---|---|---|
| 電気・ガス・水道 | 毎月末日 | 15,000円前後 | 口座振替 |
| 携帯電話 | 毎月20日 | 8,000円前後 | クレジットカード |
| クレジットカード | 毎月27日 | 変動 | 口座振替 |
| 生命保険 | 毎月1日 | 12,000円 | 口座振替 |
| 自動車税 | 年1回(5月) | 39,500円 | コンビニ払い |
このリストを冷蔵庫やデスクなど、日常的に目に入る場所に貼っておくだけでも、うっかり忘れのリスクは大きく減らせます。スマートフォンのメモ機能を使って、いつでも確認できるようにしておくのもいいでしょう。
カレンダーとアラームを味方につける
支払いリストを作っても、忙しい日々の中では記憶だけに頼るのは危険です。デジタルツールを活用して、支払日が近づいたら自動的に通知が届く仕組みを作っておきましょう。
スマホカレンダーで繰り返し予定を登録
スマートフォンのカレンダーアプリには、毎月同じ日に繰り返す予定を登録できる機能があります。
たとえば「クレジットカード引き落とし日」を毎月27日に設定し、前日に通知が届くようにしておけば、口座残高の確認を忘れることもありません。通知時間は朝と夕方の2回設定しておくと、より確実です。
年単位の支払いには特別な対策を
自動車税や固定資産税、保険料の年払いなど、年に一度しか来ない支払いは特に忘れやすいもの。これらは支払い月の1か月前にもアラームを設定して、資金準備の時間を確保しておくと安心できます。突然の出費に慌てることなく、計画的に対応できるでしょう。
- 毎月の支払い:支払日の前日と当日にアラーム設定
- 年1回の支払い:1か月前と1週間前、前日の3段階でアラーム設定
- 不定期の支払い:請求書が届いた時点でカレンダーに登録し、支払期限の3日前にリマインダー
こうした多段階の通知システムを組み合わせることで、「気づいたら期限を過ぎていた」という事態を防げます。大切なのは、一度設定したら終わりではなく、半年に一度程度は内容を見直して、最新の状況に合わせて更新することです。
自動引き落としと先取り貯蓄の活用
支払いを忘れない最も確実な方法は、そもそも「自分で支払う」という作業自体を減らすこと。可能な限り自動化してしまえば、うっかりミスのリスクはぐっと下がります。
口座振替への切り替えを検討する
電気代や通信費など、毎月決まって発生する支払いは口座振替に切り替えましょう。設定さえすれば、あとは指定日に自動的に引き落とされるため、手間もかかりません。
ただし、口座残高が不足していると引き落としができないので、給与振込口座を利用するか、定期的に残高を確認する習慣は必要です。
先に支払い用のお金を確保しておく
給料が入ったら、まず支払い用の金額を別口座や封筒に分けてしまう「先取り分離」の考え方も効果的です。
金融広報中央委員会の家計管理講座でも推奨されているように、収入が入った段階で支払い分と貯蓄分を先に取り分けることで、残ったお金だけを自由に使えると認識できます。この方法なら、うっかり使いすぎて支払いができなくなる心配もありません。
専用口座を作るメリット
複数の銀行口座を持てる人は、「支払い専用口座」を一つ作っておくと管理が楽になります。毎月の固定費をすべてこの口座から引き落とすようにしておけば、残高を見るだけで支払い状況が把握できるからです。給料日に必要な金額だけを振り込む仕組みにしておけば、使いすぎる心配もなく、家計全体の透明性も高まります。
自動化の仕組みを整えると、最初の設定にはやや手間がかかりますが、一度構築してしまえば日々の負担は大きく軽減されます。忘れっぽい性格だと自覚している人ほど、こうした「仕組み化」に力を入れる価値があるでしょう。
定期的な見直しで習慣を維持する
どんなに完璧な仕組みを作っても、時間が経てば生活スタイルや契約内容は変わっていきます。定期的に支払い状況を振り返り、システムを更新していくことが、長く習慣を続けるコツです。
月に一度の「支払いチェック日」を設ける
毎月決まった日に、通帳やクレジットカードの明細を確認する時間を設けてみましょう。給料日の翌週末など、タイミングを固定しておくと習慣化しやすくなります。このとき、次月の支払い予定も一緒に確認しておけば、予期しない出費にも慌てずに対応できます。
- 先月の引き落とし状況を確認する
- 未払いの請求書がないかチェックする
- 来月の支払い予定と口座残高を照らし合わせる
- 必要に応じて資金を移動する
- 支払いリストやカレンダーを最新情報に更新する
家族で情報を共有する工夫
夫婦や同居家族がいる場合は、お互いに支払い担当を明確にしておくことも重要です。「相手がやってくれていると思った」というすれ違いを防ぐため、共有のカレンダーやアプリを使って、誰がどの支払いを担当しているか見える化しておきましょう。
月に一度、短時間でもいいので家計会議の時間を持つと、お金に関するコミュニケーションが円滑になります。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、こうした振り返りの習慣が身につくと、支払い忘れのリスクが減るだけでなく、無駄な出費に気づいたり、貯蓄計画を見直したりするきっかけにもなります。お金との向き合い方そのものが変わっていくはずです。